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たったひとりのおきゃくさま

2019.08.21

先日、北九州市立八幡病院の小児科病棟で、「あかずきん」を上演させていただきました。
小児科で長期入院しているこどもたちへの上演でしたが、当日の彼らの体調次第ではどうなるかわからない、という状況でした。
結果、長年の夢だった、たったひとりの観客の為に上演させていただくことができました。

彼は手にはゲーム機を持ち、PCからもテレビからも動画が流れている病室でおばあちゃんとふたりで過ごしていました。
「見たくないー、いまゲームしてるからー」と言いながらも、私が持って来たアコーディオンや、小さな人形に目はくぎづけで。ゲーム機からちらっちらっとこちらを向いては人形を見て笑顔がこぼれるのを抑えきれない様子は、いつも保育園で見るこどもたちと寸分違わぬ、好奇心ではちきれんばかりの男の子でした。
しばらくゲームの話をしたりしていると「やっぱり見るー」と言ってくれたので、ここぞとばかりに上演させていただきました。
上演、というより、おしゃべり、に近い感じでした。
あかずきんのお話、知ってる?知ってるよー、こうなって、こうなって、こうなるんでしょ?いや、わたしがやるのはこんな感じだよ、
いつもやるより距離感近く、彼の興味と集中に合わせて、はしょったり、たっぷりやったり。
贅沢な、貴重な体験でした。

必要とする人のもとに作品を届けたい。そう思って、様々機会を模索して来たましたが、医療関係や療育関係にツテがなく、なかなか機会がないまま数年。
今回、このような機会をいただけたことに心から感謝しています。
そして、肝心なのはこれから。
1回だけの上演でなく、今後も入院中のこどもたちと継続的に関わりを持てたらと、現在諸々打ち合わせを進めているところです。
ボランティア、という形になるとどうしても続けることが難しくなるし、こどもたちにとっての「非日常」になってしまう。
こどもたちの日常生活に寄り添う形で私ができることを、模索していきたいと思っています。

ギャラリーに写真アップしております。
あかずきん